競合分析とは、自社と競合する企業を綿密に分析し、競合にあって自社にないものは何か
競合の強みと自社の弱みを明確し、取るべき施策を明確化するのがビジネスマーケティングにおける手法の1つになります。
新たに事業を始める際や、新サービスの展開を行う際にはビジネスにおいて必ず行うべきと言えます。
競合分析について
競合分析とは?目的や調査項目、Webマーケティングに競合分析は必要なのかについて解説します。
競合分析の目的とは
競合他社との比較を行った「競合分析」を元に、市場における自社の強み・弱みや他社の戦略を把握し、対策となる差別化戦略を立てるのに活用することが、競合分析の目的です。
まず、WEBマーケティングに限らず
マーケティング戦略を立てる中で一番の基本は「ライバル企業を分析する」ことがあげられます。
マーケティングで必要なのは端的に表すと「ライバル企業よりも、利益を上げること」となります。
顧客にライバル企業以上に魅力的だと感じてもらって、商品・サービスを購入してもらうにはどうするべきなのかを考える必要があります。
競合するライバルがどのような戦略をとって商品やサービスを提供しているのかを分析し、それ以上の魅力を持った商品やサービスをどうしたら提供できるのかを導き出すことが、競合分析です。
競合分析の調査項目例
実際に競合分析では何を調査・分析すればよいのでしょうか?
競合分析の目的により必要な項目は異なりますが、多くの企業で実践されている項目例として、以下の3項目を紹介します。
①ビジネスモデル
ビジネスモデルの再構築や改善を検討している場合、自社とビジネスモデルが近いと想定される企業をリストアップします。
事業規模、商品展開、顧客層、販売・サービス経路、マーケティング戦略・集客方法などといったを項目を調査します。
②競合の商品・サービス
新商品の導入やサービス向上を目的としている場合、パンフレットやHPから得られる情報だけでなく、実地調査や覆面調査、アンケート調査も実施するのが一般的です。
取扱商品、価格、接客などといったを項目を調査します。
③他社HP・ECサイト
HP制作やサイト改善の際には、他社HP・ECの競合リサーチが役立ちます。
商品展開やマーケティング戦略を考える上でも重要な項目となるため、多くの企業でリサーチが行われています。
基本のコンテンツ、ページ数、更新頻度・SNSとの連携、購入やお問合せまでのたどり着きやすさなどといったを項目を調査します。
Webマーケティングで競合分析は必要か?
Web担当者の方の中には競合分析なんかしたことない、という方も多いのではないでしょうか?
よくいらっしゃるのは、「ウチの商品サービスは特別で競合が少ないから」というお客様は戦略を提案させていただく中でよく耳にするお話です。
実際、弊社のクライアント様の中には競合分析をしたことがない担当者様もいらっしゃいます。
戦略設計を提示させていただく際に、競合分析内容も同時に提示させていただくのですが、その時に初めて「ここが競合なのか」と意識される方も多くいらっしゃいました。
競合の基準が「自社とサービスや商品内容が同じ企業がない」と「サービス商品」のみで判断されている方が非常に多いです。
商品そのものが同じものでなかったとしても、自社の商品やサービスが提供する目的や価値
が近しい意外な競合サイトが潜んでいる可能性があります。
競合がいないからウチは大丈夫、ではなく自社の顧客が流れてしまう可能性のある企業やサービスがないか、常に意識をしておく必要があります。
Webマーケティングにおいても、サイトリニューアル、新コンテンツの作成を考えでいるのであれば、競合分析は非常に重要になります。
どんなユーザーに流入してもらいたいのか、どんなコンテンツの発信が効果的なのか、サイトを設計を行うには、しっかり競合分析で戦略の基盤を作り上げる必要があります。
【競合分析でよく使うフレームワーク①】3C分析とは?
競合分析を行う上で効率的に行う手法に「3C」という手法があります。
分析すべきポイントである
- 「市場・顧客(Customer)」
- 「競合(Competitor)」
- 「自社(Company)」
上記3つの要素に絞って、要点ごとの観点から分析を行うことで自社と競合の現状を整理し、自社が行うべき戦略を立てていく手法になります。
Customer、Competitor、Companyの3つの頭文字をとって「3C」と呼びます。
3Cを具体的にどのような分析するのか解説します。
市場・顧客(Customer)の分析
まず第一に分析を行うべきは市場・顧客についてです。
まずは自社のいる市場や業界について、そして顧客の属性は何か、どんなニーズを持っているのかを理解をしなくてはいけません。
今おかれている環境と、獲得すべき顧客を明確化しないまま、戦略をたててしまうと、全く顧客が求めているものと違う、効果が期待できない戦略を立てることになりかねません。
主に、下記の5つのポイントを分析してみましょう。
- 自社が扱う製品・サービスの市場規模
- 市場の成長性
- 顧客の属性(年齢層や性別、居住地域、職業、収入など)
- 顧客ニーズ(製品・サービスにどのような期待・要望を持っているか)
- 購買決定までのプロセスや要因
競合(Competitor)の分析
市場・顧客の分析で得られた情報を基に、次に競合他社について分析を行います。
競合企業が現状どのポジョンにいるのか、どのような強みを持っているのか、逆に弱みはなにかなどを分析し、競合以上のポジションをとるにはどうすべきなのかを決定させる重要な分析です。
下記の4つのポイントに観点を絞って分析してみましょう。
- 競合他社の企業規模(売上や市場に占めるシェアの割合など)
- 競合他社の製品・サービスの特徴(強み・弱み)
- 競合他社の顧客の特徴(年齢層や性別、居住地域、職業、収入など)
- 競合他社の広告戦略(マス広告やネット広告の状況、Webサイト分析など)
自社(Company)の分析
最後に自社の分析を行います。
ここまでに見てきた市場・顧客の情報、競合の情報と自社の現状を比較して、最終的に今自社ではなにが足りていないのか、何を行うべきなのかを決定づける最後の分析です。
下記の4つのポイントを分析しましょう。
- 自社の企業規模(売上や市場に占めるシェアの割合など)
- 自社の強みと弱み(企業として、製品・サービスとして)
- 自社の顧客層(年齢層や性別、居住地域、職業、収入など)
- 自社のリソース(資金力、技術力、人的資源など)
【競合分析でよく使うフレームワーク②】4P分析とは?
3C以外の方法として、4P分析も競合分析として使える手段です。
4Pは、「Product(製品)」「Price(価格)」「Place(流通)」「Promotion(販促)」の略です。この項目では、4P分析について詳しく見ていきたいと思います。
「Product(製品)」
「Product(製品)」では、自社が提供する製品やサービスが「ユーザーが求めているものになっているのか」「メリットはあるのか?」などの点を考えます。
製品を届けたいターゲット層やペルソナを基に決めることで、効率よくかつ確実に決めれます。
「Price(価格)」
「Price(価格)」では、価格について考えます。
基本的に価格はターゲットユーザーが決めることが基本であるとされています。ただし、商品を届ける上では、原価が必ずと言っていいほどあるため、あらかじめある程度決めておくことが賢明でしょう。
「Place(流通)」
「Place(流通)」は、製品をどこで売るのかという点を決めるフェーズです。
「Place(流通)」を決める際も、ターゲット層を意識することが重要です。なぜなら、販促方法でターゲットがよく使うプラットフォームやターゲットがよく見る媒体を知る必要があるからです。
例えば、化粧品を20代から30代の女性ターゲットに届ける場合、製品を売る場所は直営店やコンビニ、もしくはECサイトなどが望ましいでしょう。
「Promotion(販促)」
最後のフェーズとして、「Promotion(販促)」があります。
販促も、ターゲットを意識することがとても重要です。「Promotion(販促)」は、製品やサービスを売る場所を決めて、そこにターゲットが来るような仕掛けをするというイメージです。
例えば、ECサイトで20代前半の女性ターゲットに化粧品を販促する場合、彼女たちがよく見るプラットフォームや媒体はYouTubeやInstagramなどのSNSと仮設を立てます。この仮設を基に、YouTubeを使って製品やサービスを販促するといった流れです。
このように、4P分析も汎用性の高いフレームワークですので、競合分析で困った際に使ってみるとよいでしょう。
【競合分析でよく使うフレームワーク③】SWOT分析とは?
3つ目の競合分析の方法として、SWOT分析があります。
SWOPは、「Strength(強み)」「Weakness(弱み)」「Opportunity(機会)」「Threat(脅威)」の略で、2×2軸で考えることが多いです。
Strength(強み) | Weakness(弱み) | |
Opportunity(機会) | 外部環境xプラス要因 | 外部環境xマイナス要因 |
Threat(脅威) | 内部環境xプラス要因 | 内部環境xマイナス要因 |
SWOT分析のメリットは、強みと弱みに加えて、内部要因と外部要因も同時に把握できることです。SWOT分析では、より広い視点で戦略を立てれるため、戦略立案の最初の段階で便利なフレームワークです。
Webマーケティングにおける競合分析のやり方
ここからはWebマーケティングの競合分析において、特に「競合(Competitor)」の分析方法について解説します。
サイト運営をしており、SEOの導入を考えている方にも競合分析は必須になります。
今回はwebマーケティングやSEOにおける競合分析の方法やポイントについて
競合企業サイトの設定や探し方と、競合企業サイトのどこを注目して分析するといいかについて解説します。
SEOについてや、検索順位の上げ方についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
競合サイトを探す方法
まずは競合サイトを設定する必要があります。
例えば「古着のECサイト」などのアパレル業界の場合競合が多く、「古着 通販」と検索すればすぐにでも競合を見つけることができるかもしれません。
しかし、業界がニッチで「自社とサービスや商品内容が同じ企業がない」場合、競合を探すのは難しいかと思います。
その際に競合サイトを明確化させるのに効果的なのが
「ターゲットの明確化」「キーワードの明確化」の2つです。
この2つにについて解説します。
自社のターゲットの明確化
まずは自社が求めるユーザーを決めることが大切になります。
これをターゲットの設定といいますが、ここで設定したターゲットは自社だけでなく、競合も意識しているターゲットと言えます。
まずは自分たちの集めたいユーザーや、顧客がどのような人物かを明らかにする必要があります。
年齢や性別、どのような生活をしているか、どのような悩みを抱えているか、といったところまで深掘りしたペルソナの設定を行うのもいいでしょう。
ターゲットやペルソナを設定したら次の「キーワードの明確化」が行いましょう。
キーワードの明確化
次に設定したターゲットがどのようなキーワードで検索しそうか考えてみましょう。
悩みや求めている情報をイメージし、検索キーワードを書き出してみましょう。書き出す数は多ければ多いほどいいのでできるだけ出しましょう。
実際に検索した際に表示される関連キーワードやサジェストワードなどの共起語もいいかと思います。
他にもGoogleキーワードプランナーの利用も効果的です。キーワードの検索ボリュームや自社サイトと関連性の高いキーワードを知ることができるため効果的です。
キーワードの決め方については「SEOキーワードを徹底解説!効果のある選び方や選ぶコツもご紹介!」で詳しく解説しています。
では出したキーワードで検索してみましょう。
そこで1ページ目に表示されるサイトをとりあえず、10サイトほど目を通してみましょう。
中には、個人ブログなどもあるかもしれませんが、企業が発信しているコンテンツもあると思います。
自社が設定したターゲットが調べそうなキーワードで表示されるということは、その企業も同じターゲットを持って同じキーワードで施策を行なっているということですので、競合企業だと言えます。
このように「ターゲットの明確化」「キーワードの明確化」をすることで競合企業を見つけることができます。
ツールを利用して競合を探す方法
競合を見つける際にツールを利用するのも1つの手です。
similarwebでは機能の1つに「競合および類似サイト」を自動で判別し表示してくれる機能があります。
この機能を自社サイトで利用して自社サイトの「競合および類似サイト」から簡単に競合を知ることができますが、シミラーウェブでは全てのサイトを見ることはできません。中には類似サイトが表示されない場合もあるので気をつけましょう。
競合サイトのサイト状況分析の4つのポイント
では次に、競合サイトの情報を分析する方法について解説します。
3Cなどの分析手法を知るだけでは、実際に競合サイトのどこを見たらいいのか、なにを分析すべきなのか検討もつかないかと思います。
基本的に、競合サイトを見つけることはそれほど難しいことではなく、ツールを利用した探し方もあるのであまり困ることはないかもしれません。
ここでは、Webマーケティングで分析すべきポイントを4つご紹介します。
競合分析で使えるツール
先ほどもsimilarwebを用いた競合サイトの見つけ方をご紹介しましたが、他にも競合分析に活用することができるツールがあります。
まずはじめに競合分析を効率化させるツールについても少しご紹介します。
Smilerweb
- 無料で利用可能
- 簡単に競合の分析が可能
- 流入数や流入比率が分析できる
- 精度があまり高くなく、マイナーなサイトだと分析できないことがある
Ahrefs
- 月額あり
- 自サイト分析から競合サイトを見つけることができる
- 流入数、キーワード分析など、分析に必要な機能が全てある
- 他にもサイトの内部施策状況の分析などSEOでも活用できる機能がある
サイトURL:https://ahrefs.jp/
以上、簡単にまとめてみましたが、どちらとも競合分析には非常に有効なので併用するといいかもしれません。
1 ,流入数、被リンク数、オーガニック流入数の分析
まずは競合サイトの現状を分析してみましょう。
ここで分析すべきポイントは「流入数」「被リンク数」「オーガニック流入数」の3つのポイントを分析するといいでしょう。
上記のポイントは主にahrefsで見ることができます。
※楽天市場 参考URL:https://www.rakuten.co.jp/
流入数から月間でどれほどのユーザーを獲得しているのか、さらにオーガニック流入数から自然検索でどれほどのユーザーを流入させていているのかを知ることで、競合サイトがどのような流入施策を講じているかおおよそ把握できます。
ここで大半の流入が自然検索による流入の場合、コンテンツSEOによる流入施策を行っている、逆に自然流入は少ない場合、SNSなどの別の経緯からの流入が考えられコンテンツSEOを行っていないなどのことが考えられます。
2,流入キーワードの分析
次に、競合サイトがどのようなキーワードで流入を獲得しているのかを分析しましょう。
こちらもahrefsの「オーガニックキーワード」で確認できます。
ターゲットがどのようなキーワードを検索しているのか、キーワードで競合サイトがどの順位に位置しているのかを確認できます。
自社で獲得したいキーワードで、競合サイトが上位表示していてが流入を得ていないか、などを自社と競合で比較してみましょう。
また、指名検索が多い場合、コンテンツSEOを行っていない、または行っているが効果がでていないからコンテンツSEOでユーザーの獲得が見込める、などの推測も可能になるので、流入キーワードの分析も非常に効果的だと考えられます。
3,発信コンテンツの分析
実際に競合がどのようなコンテンツを発信しているのかも分析してみましょう。
先ほど解説した流入キーワードの分析でコンテンツに関するキーワードがある場合はそのコンテンツをみてみるみましょう。
コンテンツにはユーザーの悩みを解消するための情報・how to系コンテンツと自サイトのファンになってもらうためのコンテンツがあります。
how to系コンテンツではユーザーの流入獲得が目的になります。ファンになってもらうためのコンテンツは、サービス商品に興味を持ってもらってコンバージョン獲得を目的としてます。
競合サイトがどちらに注力してコンテンツ作成を行っているのか、どのようなコンテンツを作成しているのか、流入キーワードと照らし合わせながら分析をすることで、今後、自社サイトでどのうなコンテンツを作成するのが効果的か、戦略設計にもつながる分析です。
4,導線設計の分析
競合サイトのコンテンツやサイトの導線設計を分析してみましょう。
先ほども説明した通りコンテンツのは2つの種類があります。
コンテンツの役割は流入獲得・コンバージョン獲得です。基本的にコンテンツSEOは「流入獲得」がメインになりますが、最終ゴールはやはりサービス商品の購入にあります。
では競合がコンバージョン獲得のためにどのようなサイトやコンテンツの導線設計を行っているのかを分析するのも重要になります。
流入獲得目的のhow to系コンテンツから、自サイトサービスをどのように訴求しているのか、別のコンバージョン目的のコンテンツへとユーザーを遷移させるために、どのようなコンテンツを内部リンクにしているのか、コンバージョンページはどのような設計か、などを分析しましょう。
ただ、コンテンツを発信するだけでなくしっかりコンバージョンを獲得するために自社サイトではどのようにサイトを設計するかの判断材料になります。
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Webマーケティングの競合分析で気をつけること
競合分析で得た情報を無駄にしないために。
競合分析でよくある失敗について理解しておく必要があります。
①競合分析は一度きりではない
ビジネスは常に進化しているため、競合相手には継続的に注意を払うべきです。
過去に行った競合分析の見直しや、アップデートを怠らないようにしましょう。
②推測に頼らない
最初に仮定した結論へたどり着こうとしがちですが、仮説に固執することなく、しっかりとデータを検証して答えを導くことが大切です。
③行動に移す
分析・調査結果を考慮した戦略計画を作成し、競合分析の中で気が付いたマーケティング手法をあらゆる角度から実践してみてください。
④必要以上の作業は避ける
競合分析のプロセスを難しくすることなく、ツールを積極的に取り入れて、データを手早く処理するようにしましょう。無駄なく結果を導き出せ、素早い意思決定が可能になります。
⑤目標設定をしておく
明確な最終目標がなく競合分析を始めると、その作業は困難を要します。
競合分析はWebマーケティングで欠かせないステップ
競合分析は非常に重要な要素です。どのような業界にも競合を潜んでいます。
それを意識して常に情報をキャッチアップし、自社の施策をアップデートしていきましょうおきましょう。
弊社では、無料で競合分析と戦略設計を行っております。
いつでもお問い合わせお待ちしておりますので、いつでもお申し込みください。