これって本当に効果あるの?最も効果的な方法って?そんなSEOでありがちな「あいまいな対策」を実際に対策し効果検証、SEO効果があるのかないのか、最も効果的な方法はなにか解明する連載企画「SEO実験」の第4弾になります。
今回は、今までの内部リンク編とは違い「コンテンツのリッチメディア化を行ったら本当に滞在時間を改善されるのか?」と「滞在時間が向上することで、検索順位は向上するのか?」この2点を実験検証しました。
過去の実験内容はこちらです。
まず先に滞在時間やリッチメディアに関する基本的な解説をし、その後に実験内容の経過と結果をご紹介していきます!
滞在時間とは
滞在時間とは、ページに訪れたユーザーがそのページに滞在していた時間のことを指します。
滞在時間はGoogleアナリティクスで計測することが可能で、Googleアナリティクスでもページあるいはサイトにユーザーがどのくらいの時間訪れていたのかを表す指標とされています。
滞在時間は基本的には短いより、長い方が良いとされています。
滞在時間が長いと言うことはユーザーがそれだけコンテンツを読み込んでいると考えられるからです。
ECサイトの平均滞在時間について
ECサイトでは商品購入に至るユーザーのほとんどが、5分以上〜平均10分以上、ページに滞在しています。
目的の商品を探す→比較検討→購入手続きに進む、といった一連のフローを考えれば滞在時間は長くなると言えます。
ECサイトの特性上、結果を出すには「平均セッション時間が最低でも3分以上」が目標数値だと言えます。
ランディングページ(LP)の 平均滞在時間について
ランディングページ(LP)は、商品やサービスを購入してもらうことが目的のページであるため、滞在時間は比較的短めです。
一方で、小説やニュースサイトのような、長文を読んでほしいページの滞在時間は長くなる傾向にあります。
ページの目的や機能によって滞在時間は短くなったり長くなったりします。
滞在時間を調べる方法
ここではGoogleアナリティクスで滞在時間を調べる方法について解説します。
Googleアナリティクスで「滞在時間」を示す指標は「平均セッション時間」と「平均ページ滞在時間」の2つです。
・平均セッション時間
平均セッション時間は、ユーザーがサイトを1回訪問した際の平均滞在時間を表します。特定のページに滞在した時間を表すのではなく、サイトに訪れてからいくつかのページ遷移を繰り返し、離脱するまでの一連の時間の表します。
閲覧したページの開始時間と、次に閲覧したページの開始時間の時間差で計測されています。そのため、最後に見ていたページは次に見たページの開始時間が存在しないので、計測に含まれません。
Googleアナリティクスにログインした後、「ユーザー」→「概要」で確認できます。
・平均ページ滞在時間
平均ページ滞在時間は、ユーザーが特定のページを閲覧した平均時間のことを指します。
セッション時間と同様に、ページの閲覧開始時間と次に見たページの閲覧開始時間の差で計測されます。
Googleアナリティクスにログインした後、「行動」→「概要」で確認できます。
リッチメディアとは
リッチメディアとは、コンテンツ内容を文章や画像だけでなく、音声や動画などを利用したコンテンツのことを言います。
文章と画像だけでは伝えることができなかった情報を伝えることができるため、コラムなどのコンテンツだけでなく、インターネット広告にも利用されつつあります。
リッチメディアの具体的な例は、YouTubeの埋め込み動画などですね。
リッチメディアには滞在時間改善の効果がある
リッチメディア化を計ることで得られる効果には、まず第一に「滞在時間の改善」があります。
では、なぜリッチメディア化すれば滞在時間が改善されるのかと言うと
例えば、「カレーの作り方」について書かれた二つのコラムがあったとします。
「美味しいカレーの作り方!」という調理工程をコマ撮りした画像数枚と、調理方法を解説した文章が掲載されたコラム①
そして「動画でわかる、美味しいカレーの作り方!」という調理工程をコマ撮りした画像数枚と、調理方法を解説した文章、プラス、実際の調理風景をまとめた動画が掲載されたコラム②
コラム①に大して、コラム②は動画をプラスしていますね。
簡単な比較ですが、同じカレーの作り方でも、コラム②の場合動画がありますからユーザーは「せっかく動画があるなら分かりやすそうだし再生してみるか」と再生しますよね。
動画を視聴している時間分滞在時間はプラスされますから、コラム①と比べて滞在時間が長くなる訳ですね。
このように普通のコンテンツに少しプラスしてリッチなコンテンツにすることで滞在時間は改善されると考えられています。
滞在時間改善により検索順位向上の効果がある・・と言われている
それで肝心なのが滞在時間の改善により、検索順位は向上するのか?ですよね。
SEOの世界では、「滞在時間が長いということはユーザーがコンテンツをその分読み込んでいると考えられる、つまり読み込まれるだけの有益なコンテンツと考えられる、よってGoogleは良質コンテンツとして評価する」とまことしやかにささやかれていますが
本当にそうなんでしょうか?
少し長くなりましたが、今回の実験の経過と結果について解説します。
果たしてリッチメディア化による滞在時間の改善に本当に効果があるのでしょうか?
リッチメディアと滞在時間改善実験内容
今回の実験の目的は、「リッチメディア化による滞在時間の改善は可能か?」と「滞在時間の改善によって順位は上昇するのか?」この2点を検証することが目的です。
実験の内容
今回の実験方法は、まず当サイトですでに上位表示されている記事、3記事に動画を設置しリッチメディア化の効果を測定する実験を行いました。
3記事ともページ内で動画を視聴できるようにしました。
動画を設置したページで滞在時間は伸びるのか、そして順位は上昇するのかを検証します。
実験の結果
実験開始から2週間の期間計測を行った結果、上記のように滞在時間を伸ばすことに成功しました。
しかしながら、順位上昇につながるという有意な結果は見られませんでした。
2週間という計測期間では十分な成果が出せていない!とも言えますがこれはGoogleの見解通り、滞在時間は順位の直接的な決定要因とは言えないような気がしてきましたね。
なので、これをより明確なものにするために計測期間を1カ月に延長して改めて検証してみました 。
実験開始から1カ月後、動画設置により多くのページで滞在時間を大幅に伸ばすことができました。
リッチメディア化による滞在時間の改善は実際に可能だと言うことが明らかになったかと思います。
しかし、もう一つの本題である滞在時間改善による順位上昇はと言うと、これは関係がないように感じます。
というのも今回の実験では3記事とも順位上昇しているのですが、コラム記事3に関しては実験開始より滞在時間が低下しています。
にも関わらず順位は上昇。
もちろん順位を決定付ける要因は他にもありますから、何らかの改善がみられて順位が向上したものと見られますが、滞在時間が低下していても順位が上昇したと言うことは、検索順位の決定要因には言えないと考えられます。
まとめ
今回の実験でリッチメディア化で滞在時間の改善は可能、しかし滞在時間が改善されても順位上昇の要因にはならないこの2点が明らかになったかと思います。
しかし、リッチメディア化の一番の目的はコンテンツの内容をより充実したものにすることです。
ユーザーによりいい情報を届けられるような工夫を凝らすことがリッチメディアです。
滞在時間の改善に順位上昇の力がなくても、ユーザーが喜ぶ情報を提供することでサイト内でのユーザーの動きも大きく変化します。
他の記事への遷移度や、直帰率や離脱率にも大きく関わってくるでしょう。
「今あるページをよりいいものにする」
という意味ではリッチメディア化は一つの手段になり得るかと思います。