バナー広告とは、商品やサービスをWEBサイト上で宣伝する基本的な広告です。あなたも、WEBサイトでバナー広告をよく見かけているかもしれません。
ただ、「バナー広告ってよく聞くけど一体何?」、「バナー広告の出稿を検討しているが、費用や相場、作り方やメリットまで幅広く知りたい!」など、バナー広告について考える方は多いようです。
そこで今回はバナー広告とは一体何なのか、どのように出稿するのかなど、バナー広告に詳しくなれる情報を紹介します。
バナー広告(ディスプレイ広告)の仕組み
バナー広告は、ディスプレイ広告ともいわれ、WEBページなどに画像や動画として掲載されている広告のことです。広告画像や動画をクリックすることで、WEBページへと誘導されます。
インターネット広告を導入している会社の中で、バナー広告は、種類別で見て最も大きい割合を占めている広告です。
リスティング広告との違い
バナー広告とは、ホームページにある広告スペースに画像や動画形式で表示して配信する手法です。掲載スペースが広く、画像による視覚的アプローチができるため、テキストのみの広告に比べて訴求力が高いです。
対してリスティング広告は、テキストでの掲載で見出し・広告文・ホームページのURLから成り立っています。バナー広告に比べて幅をとらずシンプルです。
リスティング広告とは?初心者向けにリスティング広告のいろはを紹介
バナー広告の掲載箇所
バナー広告の掲載箇所には、トップページに加えてサイドバー右上・サイドバー右下・記事上・記事下があります。掲載箇所によって平均クリック率が異なります。
サイドバー右上
サイドバーの右上は、ユーザーの目につきやすい場所です。バナー広告を掲載した場合の平均クリック率は、約0.2~0.3%です。バナーの大きさによって平均クリック率は変動します。
サイドバー右下
サイドバーの右下にバナー広告を掲載した場合の平均クリック率は、約0.1~0.2%です。下は、最もユーザーの目につきにくい場所で、平均クリック率は低いです。サイドバーの縦の長さによって平均クリック率が変動します。
記事上
記事上にバナー広告を掲載した場合の平均クリック率は、約0.2%です。記事の内容により平均クリック率が変動します。
ユーザーの目につきやすい場所ですが、ユーザーは広告を見ずに記事を読み進めてしまうことが多く、クリック率が低くなります。
記事下
記事下にバナー広告を掲載した場合の平均クリック率は、約0.5~1%です。記事の質によって平均クリック率が変動します。
ユーザーの目につきやすい場所に加え、ユーザーは記事を読み終わったあとなのでゆっくり広告に目を通しやすいです。そのため、クリック率が高くなります。
バナー広告の種類
バナー広告には2つの種類があります。以下で、それぞれ詳しくご紹介します。
純広告型バナー広告
純広告型バナー広告とは、ある特定のメディアの広告枠を買い取り、バナーを掲載する広告のことです。契約期間中は、必ずバナーが表示されます。
自社のターゲットに近いWebメディアに掲載すれば、大きな成果を期待できる広告です。
運用型バナー広告
運用型バナー広告とは、運用型バナー広告の広告枠を貼っているWebメディアに、ランダムでバナーが表示される広告のことです。
具体例として下記の2つがあります。
・GDN:Googleの運用型バナー広告
・YDN:Yahoo!の運用型バナー広告
性別・年齢など、細かくターゲット設定が可能なため、的確なターゲット設定ができれば大きな成果を得られます。
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バナー広告の費用形態と相場
ここでは、バナー広告の費用形態と相場について紹介します。
バナー広告は種類によって課金の仕方が異なることから、それぞれについてメリットとデメリットがあります。費用の面から広告の効果を見極めるためには、それぞれの料金相場を知っておくことが大切です。課金の仕方が違うわけですから、一律に比較はできません。広告の目的と期待する効果も含めて費用対効果を判断する必要があります。
クリック課金型
クリック課金型は、Webの閲覧者が広告を1回クリックしたときに何円にするかという形で料金を設定します。
多くの人が広告が気になってクリックすることでリンク先のページを訪れなければ課金額は増えません。
視覚効果があって閲覧者を引き付ける魅力のある広告の場合、強みがあると言えます。1クリックあたり30円から100円前後が相場です。
同じような広告が他のWebサイトに多数あるような場合には、競合広告のインパクトによってクリック数は大幅に変動します。
インプレッション課金型
インプレッション課金型は、閲覧者が自分の見たいページを開いたときに表示されるバナー広告も見たとみなして表示した数をカウントします。
クリック課金型と比較すると確実性が低いことから、1回あたりの課金額が低いことが特徴です。
広告表示の単位をインプレッションと言います。広告が1回表示されると1インプレッションです。
インプレッション課金型の相場は1インプレッションあたり1円から3円前後になります。よく使用されるCPM単位ではその千分の一です。
成果報酬型
成果報酬はバナー広告の表示だけでは課金がありません。
リンク先での成約や閲覧者の広告主へのコンタクトなど何らかの成果が達成されたときに初めて課金されます。
何らかの成果が広告主にあるということから、クリック型やインプレッション型と比較すると課金額が高いことが特徴です。
相場は商品本体の価格や状況によって異なります。目安となるのが商品が売れた場合の広告費です。
一般的には10,000円の商品であれば3割程度と言われています。定期購入などの成約であれば数か月分の月額料金となることもあるようです。
期間保証型
クリック型、インプレッション型、成果報酬型はいずれも基本的に不定期の広告掲載です。
期間保証型は広告を掲載するWebページ上の枠を一定期間確保することになります。
保証された一定期間広告を掲載し続けることによって課金が発生するものです。
その料金相場は1ヶ月50万円から60万円で、高いものでは100万円以上するものもあると言われています。
料金に影響するのは期間だけではありません。表示枠の大きさも影響します。枠が大きいほど高額です。
バナー広告の料金費用相場
バナー広告を掲載するときの費用には、制作費と掲載費があります。前項で解説したのは掲載費です。それでは制作にはどれくらいの費用がかかるのでしょうか。
バナーに使用する画像の種類によっても費用は異なります。効果を期待できる目を引くバナーほど高額です。
一般的な静止画の場合5,000円前後、動画になると倍の10,000円位、Flashと呼ばれる画像を使うと20,000円程度と言われています。
ここでは2021年1月13日時点のバナー制作料金の相場について見ていきましょう。
制作費の相場は画像サイズによって変わります。スマートフォンなどを対象とした120px×60px、133px×55pxの極小サイズは3,000円以下です。
300px×250px、250px×250px、200px×200px、300px×550pxなどの小サイズは4,000円から5,000円で制作できます。
728px×90px、366px×280px、120px×600pxは中サイズに区分されて5,000円から9,000円です。
大サイズは300px×1050pxのサイドバー型などで、6,000から1万円が相場になります。
掲載メディアごとの料金相場
①新聞
新聞の広告費用の相場は、トップページが100万円から150万円、サイドボタンが30万円前後、スマートフォンのヘッダー領域が75万円前後です。トップページであれば、1週間に250万回から500万回の膨大なインプレッションが見込めます。
②ニュースメディア
ニュースメディアの広告費用の相場は、トップページの大きな枠であれば200万円前後、小さな枠であれば10万円から20万円のところが多いです。トップページの大きな枠では、200万円前後の費用で、約1000万回の表示が見込めます。
③ビジネス経済メディア
ビジネス経済メディアの広告費用の相場は、大手メディアのトップページであれば100万円前後、スマートフォン向けであれば30万円前後、ニュースやコラムの上部であれば40万円前後などです。トップページでは100万円の費用で、100万回の表示が見込めます。
④エンタメ系メディア
エンタメ系メディアの広告費用の相場は、月間PVが15,000あるサイトのトップページで、150万円から190万円ほどかかるところもあります。小さめの枠であれば、30万円前後が目安といわれています。
バナー広告のメリット
ここでは、バナー広告のメリットについて紹介します。
視覚的な効果が大きい
バナー広告は、視覚的な効果が大きいのが特徴です。バナー広告は、画像や動画の形態を取っているので、広告を見たユーザーに視覚的にアプローチすることができます。
通常、あなたが商品やサービスを売るときには、あなたのサイトを訪れたユーザーに対してしか、商品やサービスのイメージを伝えることができません。ただし、バナー広告を利用すれば、広告を見てもらうだけで商品やサービスの良さを視覚的に感じてもらえます。
視覚的なアプローチは、文字でのアプローチよりも、ユーザーが商品やサービスの使用感をイメージしやすいので、広告効果が高いということがいえるでしょう。
認知度向上に適している
バナー広告は、認知度向上に適しています。サイトを訪れた幅広い層のユーザーの目に触れるため、あなたの商品やサービスを知らなかった層に、知ってもらえる可能性が高いです。
一方で、バナー広告を表示するユーザー層を絞り込む「ターゲティング」も可能です。ユーザーの検索履歴などから、ユーザーの年齢や性別、エリア、興味を推定することができます。
全体的な認知度を向上できる一方で、潜在的なニーズのあるユーザーに対して、ピンポイントで認知してもらうことができるのも、バナー広告を利用するメリットです。
バナー広告のデメリット
バナー広告には大きなメリットがある一方で、デメリットも存在します。
ここでは、バナー広告のデメリットについて簡単に説明するので、メリットと天秤に掛けた上で、バナー広告の利用を検討してみてください。
成約率が低い
バナー広告は、認知度の向上に向いている一方で、成約率は低いのがデメリットです。
バナー広告のターゲットは、基本的にあなたの商品やサービスを認知していない層といえます。バナー広告で視覚的にアプローチすることで、商品やサービスの良さをイメージしてもらいやすい一方、そのままコンバージョンに繋がるということが難しいのです。
バナーをクリックした先のページのみで、ユーザーのニーズを喚起することは難しく、成約率はどうしても低くなってしまうのがデメリットです。
効果の差が激しい
バナー広告は、効果の差が激しくなってしまうというのもデメリットの1つです。
文字だけの広告であれば、商品やサービスに対してのイメージは、ユーザーが勝手に作るので、広告の質はそれほど関係ありません。
しかし、バナー広告の場合、視覚的にアプローチするタイプの広告であるため、バナー広告の画像や動画の出来によって、ユーザーがあなたの商品やサービスのメリットを感じられるかどうかが、かなり左右されます。
バナー広告の効果を高めたいのであれば、デザインなどに拘って、広告を作成しなければなりません。
バナーの作成に時間を有する
バナー広告のデメリットとして、最後に挙げられるのが、バナー広告の作成には時間がかかるということです。
バナー広告とは、画像や動画を表示する広告です、先ほども少し触れたように、バナー広告の効果を高めたいのであれば、デザインの質にもこだわる必要があります。
バナー広告の草案の作成までに約1週間、修正がかかればさらに1週間という時間を有します。文字だけの広告であれば、これほどまでに時間がかかることはまずありません。
この結果として、バナー広告を出したいときにすぐに出せない、バナー広告の検証から改善のスピードが遅くなるというデメリットが発生します。
バナー広告を作成するときのポイント
バナー広告のメリットは最大限に活かし、デメリットは最小限に抑えたいですよね。
ここでは、バナー広告を活用するための、バナー広告出稿時のポイントを2つご紹介します。
ターゲットユーザーを絞り込む
バナー広告出稿時には、バナー広告のターゲットユーザーを絞り込むことも大切なポイントです。
メリットにも挙げたように、バナー広告では、あらかじめターゲットのユーザーを絞り込むことができます。また、そもそもバナー広告掲載先を、あなたの商品やサービスに適したサイトにすることが重要です。
広告掲載先のユーザー層をリサーチし、バナーを見る人の割合や広告のクリック率、コンバージョン率を確認しておきましょう。広告掲載先のサイトが、あなたがターゲットとしている層と近いユーザーが利用している割合が大きいと良いです。
広告のターゲットユーザーを絞り込むことで、効率よくあなたの商品やサービスを認知してもらうことができ、コンバージョン率も高めることができます。
コンバージョンの改善についての記事はこちらをご覧ください
デザインのクオリティを意識する
繰り返しになりますが、バナー広告では、バナーのデザインのクオリティも非常に大切です。
そもそもあなたの商品やサービスが、視覚でアプローチしやすいものならなお良いですし、またそうでない場合でも、ユーザーの目を引く色を使うなどの工夫をすれば、広告の効果を高めることが可能です。
ユーザーの目を引き、クリック率が上昇すれば、それと同時にコンバージョン率も向上します。まずは、ユーザーの目に留まるようなデザインを意識したバナーを作成しましょう。
効果的な作り方
①検索ワードを含めたコピーにする
検索ワードを含めたコピーにすることで、クリック率を向上させることができます。なぜなら、検索ワードには検索したユーザーのニーズがそのまま反映されているからです。
検索キーワード、関連キーワードを使って、ターゲットのニーズに合わせたバナー広告にしましょう。
②わかりやすい簡潔なコピーにする
わかりやすい簡潔なコピーにすることで、ユーザーに瞬時的に理解してもらえるバナー広告にします。サイトを訪れたユーザーがバナー広告を目にするのは、ほんのわずかな時間です。
短い文章で大きく表示することで、ユーザーの目に留まりやすい広告になるようにしましょう。
③掲載サイトのデザインの色調に合わせる
掲載サイトのデザインの色調に合わせたバナー広告にすることで、広告を掲載サイトになじませます。違和感のある、明らかに広告だとわかるような画像をクリックしたいとは思いませんよね。
サイトとの整合性を保つことで、広告っぽさをなくし、クリックされやすいバナー広告を作りましょう。
④実績の数字を盛り込む
バナー広告に実績の数字を盛り込むと、あなたの商品やサービスの良さに具体性が増します。塾の広告などでもよくありますが「東大○○名輩出」「医学部に○○名合格」のような数字があると、その塾を信頼できます。
具体的な数字を盛り込んで、あなたの商品のリアリティや信頼性を引き上げ、バナー広告の効果を高めましょう。
サイズ
バナー広告は、以下の6つのサイズを作成しておけば、基本的にはどんな広告出稿先にも対応が可能になります。
・336×280
・250×250
・468×60
・728×90
・970×90
・970×250
上記のサイズで対応できないときは、新たなサイズのバナーを作る必要があります。サイズが合っていないバナーを使用するとユーザーが違和感を感じてしまうため、クリック率は低くなる傾向にあります。
バナー広告の改善策
広告の費用対効果を検証し、思ったような数字が残せなかった場合、改善をしていく必要があります。以下では、バナー広告の改善策についてご紹介します。
出稿先の見直し
費用対効果が上がらない理由としてまず考えるべきは、ターゲットユーザーの見誤り、もしくはターゲットユーザーが訪問すると想定した出稿先の見誤りです。出稿先の見直しやユーザーの見直しを行い、修正・変更していく必要があります。
広告内容の見直し
インプレッションやクリック数が伸びないのは、広告が目立たない、内容がユーザーの欲求と合致していないなどが考えられます。
広告の見直しをして、必要に応じてデザインを変更する・キャッチコピーを変更するといった対策をします。
誘導先のWebページを改善する
広告自体に問題があるのではなく、誘導先のWebページ自体に問題がある場合もあります。その場合には、広告内容とWebページの内容を一致させる・フォームの改善を行う必要があります。
Webサイトに誘導したユーザーへのアフターフォロー
Webサイトに誘導しても、商品購入には至らず離脱してしまったユーザーは、いますぐに商品を購入したいとは思っていなかった場合もあります。
メールマガジンへのわかりやすい誘導・インスタグラムやフェイスブックなどのSNSへのフォローを促すなど、再訪してもらえる施策も行っておくようにしましょう。
バナー広告のデザインを決めるときに役立つサイト
バナー広告の種類やデザインは多岐にわたります。バナー広告を作成をする前には、さまざまなバナーデザインを見て参考にしておくのがおすすめです。
厳選したおすすめのバナーギャラリーサイト3つを以下でご紹介します。
バナーデザインアーカイブ
2000種類以上のバナーをアーカイブ化したWebサイトです。目的のバナーをバナーサイズ・カラー・業種から検索することが可能です。
Facebook広告集めました
フェイスブックの広告を集めたギャラリーサイトです。広告イメージ内のテキスト占有率によって配信量が変動する広告ポリシーがあるので、デザイン決めのときに参考にできます。
Retrobanner
8000種類以上のバナーをコレクションしているWebサイトです。目的のバナーをバナーサイズ・カラー・業種から検索できます。
まとめ
今回は、バナー広告とは一体何なのかということや、出稿に関する詳しい情報など、バナー広告に詳しくなれる情報を紹介しました。
バナー広告は様々な種類があり、インターネット広告の中でも、多くの会社が活用している広告です。
バナー広告は目に付きやすく大きな効果を上げる可能性がありますが、的確なリーチができないと成約率には結びつきません。特にデザインやコピーは、ユーザーに的確にリーチできるかに大きく関わるため、バナー広告において非常に重要な役割を果たしています。
バナー広告を利用して、あなたの商品やサービスを宣伝したい場合は、こちらの記事のポイントを良く抑えた上で、利用してください。