商品・サービスをプロモーションする際に、まず選択肢に入ってくるのが「リスティング広告」です。
ただ、「リスティングの費用について知りたい」「必要な予算の算出方法を知りたい」「リスティングで必要な工数などを知りたい」という方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、リスティングを行おうとしている初心者の方向けに、リスティング広告の費用について詳しく解説します。
この記事を読めば、リスティング広告にどのくらいの費用が必要なのか、どうやって費用を押さえれば良いのかが分かります。
リスティング広告の運用で知っておくべき基本知識
リスティング広告は、費用さえかければ簡単に出稿できる広告形態です。しかし、闇雲に広告を打ってしまうと、期待した効果が得られない事態になりかねません。
まずは、リスティング広告を運用する上で最低限知っておくべき基本知識を解説します。
キーワードの選定方法
リスティング広告において、広告を出稿するキーワード選定は非常に重要です。なぜなら、キーワードによって、費用やコンバージョン率が変わってくるからです。
具体的には、Googleキーワードプランナーを使って、以下の数値を確認します。
- 月間検索ボリューム
- 競合性
- ページ上部掲載の入札単価
詳しいキーワード選定の考え方は、この記事中で解説します。ここではまず、キーワードを闇雲に選定してはいけないことを押さえておいてください。
CVR、CTR、CPCの意味と活用方法
以下に、CVR、CTR、CPCの意味と活用方法を簡単にまとめます。
- CVR
CVR(Conversion Rate)は、日本語に直訳すると「コンバージョン率」という用語です。CVRとは、ページを閲覧したユーザーの中で、どれだけのユーザーがコンバージョンに至ったかを示します。
CVRが高ければ高いほど、コンバージョンあたりの広告費用が下がります。広告文やLPの質を高めたり、マッチするキーワードを選定することで、CVRを高めましょう。
- CTR
CTR(Click Through Rate)は、日本語に直訳すると「クリック率」という用語になります。CTRとは、広告をみたユーザーのうち、どれだけのユーザーが広告をクリックしたのかを示す数値です。
CVR同様にCTRを高めることで、広告の費用対効果が高まります。キーワードと広告文のマッチ度、広告の質を上げて、CTRを高める施策を行いましょう。
- CPC
CPC(Cost Per Click)は、日本語に直訳すると「クリック単価」という用語です。CPCとは、広告1クリックあたりにかかる費用を指します。
CPCの数値は選定するキーワードによって異なります。CPCを下げる具体的な方法は、この記事中で詳しく解説します。ここでは、CPCというものがキーワードごとに異なることを押さえておいてください。
リスティングのデメリット
リスティング広告のデメリットは、それなりの効果を得ようとすると大きな費用がかかることです。コンテンツマーケティングやSNSマーケティングでは、費用をかけずに広告を打つことが可能ですが、リスティング広告は有料で広告を出稿する形となります。
しかし、裏を返せば費用をかけさえすれば広告が掲載できてしまうということです。リスティング広告に割く予算を適切に算出して、効率良く広告効果を得られるように対策しましょう。
リスティングのメリット
リスティング広告のメリットとしては、主に以下の2つが挙げられます。
- 即効性が高い
リスティング広告のメリットとして、即効性が高いことが挙げられます。なぜなら、リスティング広告は費用さえかければすぐに出稿できる上に、確実に広告を表示できるからです。
例えば、コンテンツマーケティングの施策では、検索結果で上位表示されるまでに3ヶ月〜半年くらいの期間がかかり、また上位表示される保証もありません。それに対してリスティング広告は、いつでも好きなタイミングで選定したキーワードの検索結果に、確実に広告を表示できます。
- コンバージョンに直結する
リスティング広告はコンバージョンに直結しやすい広告形態です。広告出稿者側で広告に興味のあるユーザーが使いそうなキーワードを選定することで、商品・サービスに関心の高いユーザーに広告を表示できます。
例えば、「コーヒー サブスク」で調べるユーザーは、すでにコーヒーのサブスクリプションを始めたいと思っているでしょう。そのキーワードに対して、コーヒーのサブスクリプションサービスの広告を出稿すれば、コンバージョンの確率が高いといえます。
リスティング広告にかかる費用
リスティング広告の費用は、初動で月額10万円〜20万円となるケースが多いです。しかし、事業の目標や広告に割くことのできる予算によっても変わってきます。
なぜなら、リスティング広告の費用は、ワンクリックあたりの単価と、クリック数によって決まるからです。コンバージョンを1つ獲得するのにクリック数が多く必要になれば、それだけリスティング広告の運用にかかる費用は跳ね上がります。
例えば、「コーヒー サブスク」の平均クリック単価は60円です。仮にリスティング広告が30回クリックされたとすると、1,800円の費用がかかることになります。
リスティング広告の費用を抑える方法
リスティング広告にかかる費用は、運用する人次第で高くのなれば低くもなります。リスティング広告の費用を抑える方法は、主に以下の7つです。
- 除外キーワードの設定をおこなう
除外キーワードの設定を行います。なぜなら、コンバージョンに結びつきにくい不要なキーワードへの広告出稿を防ぐことで、コンバージョン率が上がり、費用対効果を上げられるからです。
例えば、コーヒーのサブスクリプションサービスを行っている場合、「コーヒー 焙煎」等のキーワードを利用する人は、コーヒーのサブスクリプションサービスを申し込む可能性は低いです。こういった不要なキーワードを除外して、費用対効果を高めましょう。
- 部分一致以外のマッチタイプも活用する
キーワードを設定する際に、部分一致以外のマッチタイプも考慮します。なぜなら、部分一致の設定では登録したキーワード以外の関連するキーワードにも広告が出稿されてしまうからです。コンバージョンに結びつきにくいキーワードに出稿されると、費用対効果が下がってしまいます。
例えば、完全一致のマッチタイプでは、完全一致・類似のパターンに限定されて広告が出稿されます。費用対効果が確実に出るキーワードに限定して出稿することも検討してみましょう。
- 品質スコアを上げる
品質スコアを上げる施策を行います。なぜなら、リスティング広告の掲載順位は、広告の入札単価と広告・LPの品質によって決まるからです。つまり、品質スコアが高ければ入札単価を下げられます。
具体的な施策としては、広告文とLPの整合性を取る、キーワードに最適化した広告文を作成する、などが挙げられます。広告はあくまでも商品・サービスを欲しがっているユーザーに届けるものであり、ユーザーの利便性を高めるものでなければなりません。
- ロングテールキーワードを狙う
広告を出稿するキーワードとして、ロングテールキーワードも考慮しておきます。なぜなら、検索ボリュームが大きく、ユーザーの目に触れる回数の多いビッグキーワードはクリック単価が高い傾向にあるからです。
例えば、「英語」というビッグキーワードの平均クリック単価は7円ですが、「英語学習 方法」のクリック単価は2円です。このようにロングテールキーワードを狙うことで、広告費用を押さえられる可能性があります。
- 配信地域を限定する
リスティング広告の費用を抑えるには、配信地域を限定するのも効果的です。配信地域を限定することで、不要なキーワードへの出稿を防ぐと同時に、よりクリック単価を抑えられます。
例えば、東京の新宿で美容院を営んでいる場合、「美容院」というキーワードを狙うと全国のユーザーに届きますが、当然北海道や沖縄に住んでいる人は、美容院に足を運んでくれません。こういった無駄な広告出稿を防ぐために、配信地域を限定しましょう。
- 配信ターゲットを限定する
配信地域のほかに、配信ターゲットも限定できます。配信ターゲットを限定することで、本当に自社の商品・サービスに興味のある人だけに広告を届けることが可能です。
例えば、ユーザーの家族構成や興味・関心などを絞り込んで、広告表示の有無を設定できます。より興味・関心の高いユーザーに限定して広告を配信し、費用対効果を高めましょう。
- オーディエンスリストを活用する
オーディエンスリストを活用することで、費用対効果を高められます。オーディエンスリストとは、以前広告をクリックしたユーザーの類似ユーザーのリストのことです。
例えば、以前コンバージョンに至ったユーザーの類似ユーザーは、同様にコンバージョンに至る可能性が高いと考えられます。コンバージョンの可能性が高いユーザーに対して広告を配信し、費用対効果を高めましょう。
リスティング広告の予算の計算方法
上でも触れたように、リスティング広告を出稿する際は、適切な予算を算出することが重要となります。広告効果を最大化するために、以下の方法で予算を決めましょう。
目標から逆算して決める
リスティング広告の費用を決める方法として、「目標から逆算する」が挙げられます。
具体的には、コンバージョンを1獲得するのに、こうこくひがいくらかかるのか広告費がいくらかかるのか(=CPA:コンバージョン単価)に、目標とする獲得数を掛け合わせて算出します。
【目標CPA×目標コンバージョン数=広告費用】
目標CPAは、基本的に商品・サービス1成約あたりの利益から算出します。商品1個売れたときの利益が100円なら、目標CPAは100円です。
クリック単価の相場から決める
リスティング広告の費用を決めるもう1つの方法として、「クリック単価の相場から決める」が挙げられます。
具体的には、平均クリック単価と予想されるクリック数を掛け合わせてください。ちなみに、これらのデータはGoogleキーワードプランナーで調べられます。
平均クリック単価とクリック数は、出稿するキーワードによって異なります。人気のあるキーワードほどクリック単価が高くなるので、注意が必要です。
リスティング広告にかかる費用対効果
リスティング広告の費用対効果は、高くもなりますし低くもなります。なぜなら、広告を出稿するキーワードや、広告の質、LPの質によって商品・サービス1成約あたりにかかる費用が変わってくるからです。
例えば、1,000円の商品を売るとして、クリック単価が50円、10回クリックされて商品が1つ売れると仮定すると、1成約あたりにかけた費用は500円になります。
一方で、クリック単価が20円かつ、広告・LPの質が高くて5回で商品が1つ売れた場合、1成約あたりにかかる費用は100円です。このとき、先ほどのクリック単価、広告・LPの質の場合よりも費用対効果は高いといえます。
したがって、リスティング広告の費用対効果を高めるには、キーワード選定をしっかり行い、適正なクリック単価で広告を回すことが重要です。
リスティング広告を運用する際のポイント
リスティング広告を運用する際には、運用しながら調整していくことが重要です。以下で紹介する2つのポイントを抑えて、リスティング広告を効率良く運用しましょう。
撤退ラインを決めること
リスティング広告を運用する際には、あらかじめ撤退ラインを決めておきます。なぜなら、効果の出ない広告を出稿し続けても、無駄に費用がかかるだけだからです。
具体的には、目標CPAをあらかじめ算出しておきます。CPAとは、商品・サービスの1成約あたりに、いくらかけられる広告費のことです。これを定めて撤退することで、損を膨らませないようにできます。
増額する基準を設けること
逆に、思ったよりも広告効果が上がった場合に備えて、費用を増額する基準も決めておきます。なぜなら、せっかく効果が出ているにもかかわらず予算が足りなくて広告が回せなくなると、機会損失に繋がってしまうからです。
具体的には、どれだけのCPAが達成できたら増額するというラインを決めておきます。効果の出ているタイミングで予算を投下して、広告効果を最大化しましょう。
まとめ
今回は、リスティングを行おうとしている初心者の方向けに、リスティング広告の費用について詳しく解説しました。
本記事の要点は、以下のとおりです。
- 闇雲に運用しても効果は得られないので、リスティング広告の基礎知識を押さえる
- リスティング広告の費用は、広告を運用する人によって大きく変わってくる
- 費用対効果を高めるための施策をおこない、1成約あたりの費用を抑えることが重要
この記事を参考にして、リスティング広告にどのくらいの費用が必要なのか、どうやって費用を押さえれば良いのか把握し、広告運用を始めてみましょう。