Web上でサービスを展開したり、商品を販売したりしている方にとって、「リスティング広告」は強力な武器となり得ます。
しかし、「リスティングの基本的な知識を押さえたい」「リスティング広告の運用方法を知りたい」「リスティング広告でかかる費用を知りたい」という方も多いでしょう。
そこで今回はそういった方へ向けて、リスティング広告のやり方について、広告出稿の費用や、踏まえるべきステップを解説します。
この記事を読めば、リスティング広告についての基礎を把握した上で、リスティング広告のやり方の基本的な考え方を身につけれるでしょう。
リスティング広告とは?
リスティング広告とは、有料広告の形態の一つです。PPC(Pay Per Click)広告と同義で扱われることも多いように、クリック数に合わせて広告料が決まります。
リスティング広告には、主に「検索連動広告」と「コンテンツ連動型広告」の2種類が挙げられます。
リスティング広告について基礎情報については下記の記事で詳しく解説しています。
リスティング広告とは?初心者向けにリスティング広告のいろはを紹介
検索連動型広告
検索連動型広告とは、その名のとおり検索されるキーワードに連動して表示される広告です。例えば、「東京 美容専門学校」というキーワードで検索すると、「国際文化理容美容専門学校 | 渋谷校/国分寺校」のリスティング広告が表示されます。
検索連動型広告の特徴は、コンバージョン(商品・サービスの成約)に結びつきやすいことが挙げられます。なぜなら、キーワードで検索するユーザーは、そのキーワードに関する熱量が高いからです。例えば、「東京 美容専門学校」で検索するユーザーは、東京の美容専門学校に通いたいと思っています。
検索連動型広告は、商品を買ってほしい、サービスを契約してほしいという場合に有効な広告形態です。
コンテンツ連動型広告
コンテンツ連動型広告とは、その名のとおりコンテンツ内容に連動して表示される広告です。例えば、ブログ記事やWebサイトのページ、YouTubeの動画の内容に関連して広告が表示されます。
※yahooの場合、バイクのヘルメットを探していた情報を読み取り、ヘルメット関連の広告が表示されている
コンテンツ連動型広告の特徴は、広告内容に関心度の高いユーザーに対するブランディングができることです。検索連動型広告はテキスト広告ですが、コンテンツ連動型広告は画像・動画が主なので、イメージで直感的に訴えられます。
もちろん、元々関心のあるユーザーに届けられるためコンバージョンも期待できますが、どちらかというと認知を広めるのに効果的です。
リスティング広告の費用
リスティング広告といったとき、通常は「検索連動型広告」を指すのが一般的です。したがって、ここからは検索連動型広告に絞って解説を続けます。
リスティング広告の費用は、ワンクリックあたりの単価と、クリック数によって決まります。例えば、「東京 美容専門学校」の平均クリック単価は64円です。仮にリスティング広告が30回クリックされたとすると、1920円の費用がかかることになります。
クリック単価はキーワードによっても異なりますし、入札金額や広告・LPの質によってクリック数が変わります。したがって、広告にかけられる予算や目標を定めて、適切な方法で広告を出稿することが大切です。
リスティング広告の費用の目安
リスティング広告の費用は、初動で月額10万円〜20万円となるケースが多いです。しかし、もちろんこれは目安なので、事業の目標や広告に割くことのできる予算によっても変わってくるでしょう。
目標から逆算して決める
リスティング広告の費用を決める方法として、「目標から逆算する」が挙げられます。
具体的には、コンバージョンを1獲得するのに、こうこくひがいくらかかるのか広告費がいくらかかるのか(=CPA:コンバージョン単価)に、目標とする獲得数を掛け合わせて算出します。
目標CPA×目標コンバージョン数=広告費用
目標CPAは、基本的に商品・サービス1成約あたりの利益から算出します。商品1個売れたときの利益が100円なら、目標CPAは100円です。
リスティング広告の詳しい費用の目安や、計算方法については下記の記事で解説しています。
リスティング広告の費用はどれくらい?費用を抑えるポイントを解説!
クリック単価の相場から決める
リスティング広告の費用を決めるもう1つの方法として、「クリック単価の相場から決める」が挙げられます。
具体的には、平均クリック単価と予想されるクリック数を掛け合わせてください。ちなみに、これらのデータはGoogleキーワードプランナーで調べられます。
平均クリック単価とクリック数は、出稿するキーワードによって異なります。人気のあるキーワードほどクリック単価が高くなるので、注意が必要です。
リスティング広告の始め方
ここまでの説明で、リスティング広告とは何なのかは掴んでいただけたと思います。ここからは、実際にリスティング広告を出稿するときの手順を解説します。
リスティング広告は、ただ単純に掲載しても効果は期待できません。以下のポイントを踏まえて、効果のある方法でリスティング広告を出稿しましょう。
リスティング広告の戦略を考える
リスティング広告を出稿する際には、自社の商品・サービスの強みと、どういった人がそれを欲しがるのかを明確にしておきます。
なぜなら、闇雲に広告を出稿しても、コンバージョンに繋がらなければ意味がないからです。
例えば、自社商品として「3ヶ月でビジネス英語を習得できる教材」を売るとしましょう。この商品の強みとターゲット層は、以下のように想定できます。
- 商品の強み:短期間で実践的な英語力が身につく
- ターゲット層:海外転勤を控えたビジネスパーソン
このように仮定すると、どういったキーワードに対して、どんな広告を出稿するかといった戦略が立てられます。まずは、商品とターゲット層を分析しましょう。
出稿リスティング広告の効果測定
リスティング広告を出稿した後、たとえ良い結果であっても効果測定を怠ってはいけません。悪い結果であれば、言わずもがなです。
リスティング広告は短期間で終わるものではありません。1回目の出稿は最適化されていることはほとんどないので、効果測定を行なって改善します。
具体的には、クリック率やコンバージョン率、平均クリック単価などを確認しましょう。出稿したキーワードは適切だったのか、LPはユーザーニーズを捉えたものだったのかなどが見えてきます。
この効果測定は、短期間では正確な数値が出にくいです。したがって、1週間〜1ヶ月くらいの中期的なスパンでチェックするようにしましょう。
効果測定から見えた改善点を実行する
効果測定を行なったら、効果測定によって明らかになった改善点を実行します。手を加えるポイントは、主に以下の2とおりです。
- 自社のLPや広告文
広告として表示されているにもかかわらずクリック率が低い場合は、広告文を見直す必要があります。なぜなら、ユーザーがクリックしたくなるような魅力的な広告文でない可能性が高いからです。
また、クリック率は高いのにコンバージョン率が低い場合は、広告のリンク先であるLPに問題があります。LP単体の質ではなく、広告文やキーワードとの整合性が取れているかどうかも確認しなければなりません。
- 出稿するキーワード
想定していないキーワードに広告が出稿されている場合、クリックされていてもコンバージョンに結びついていない可能性があります。したがって、広告を出稿しない「除外キーワード」を設定することも重要です。この設定により、無駄に広告費が出ていってしまうのを防げます。
また、コンバージョン率が高いキーワードに集中して予算を割くという手を打つことも可能です。リスティング広告を打った場合、効果が出ても出なくても、改善・改良するポイントはたくさんあります。
またキーワードの選定方法はコンテンツSEOと同じ方法が効果的です。
キーワードの選定方法については下記の記事で詳しく解説しています。
まとめ
今回は、リスティング広告のやり方について、広告出稿の費用や、踏まえるべきステップを解説しました。本記事の要点は、以下のとおりです。
- リスティング広告とは有料広告の形態の一つで、「検索連動広告」と「コンテンツ連動型広告」がある
- リスティング広告の費用はクリック単価とクリック数で決まるため、目標やクリック単価の相場から決める
- 広告を出稿したらそのままにするのではなく、効果を測定して改善点を洗い出し、実行することが大切
この記事を参考にして、リスティング広告についての基礎を把握し、リスティング広告のやり方の基本的な考え方を身につけましょう。